「餅は餅屋」の ウソ

「餅は餅屋」の ウソ

「餅は餅屋」という言葉があります。

 

「専門家に任せるのが一番」という意味です。

 

不動産売却においても、売主としては「不動産売却の専門家に任せたら安心だ」と思いがちです。

 

しかし、必ずしもそうとは限りません。

 

「不動産の専門家」と一口にいっても、不動産のあらゆる分野に精通していて、かつあらゆる分野で他を凌駕する強みを持っている不動産会社など存在し得ないからです。

 

同じ不動産会社でも、「個人の買主を相手にするのが得意」「法人相手が得意」「マイホームの売却に強い」「事業用不動産の売却に強い」など、それぞれが得意とする分野はまったく違うのです。

 

特に注意すべきなのは、マイホームではなく、事業用不動産を売却する場合です。

 

なぜなら、売り方によって想像以上に価格差が生じやすいからです。

 

時にはその差が2割、3割、4割以上にまで及ぶことがあります。
一口に事業用不動産といっても、単純にひとくくりにはできません。

 

その種類はいくつにも分かれます。

 

主に、次のような種類に分かれます。

 

●住宅分譲用地(戸建分譲、マンション分譲他)

・収益物件建設用地(賃貸マンション、高齢者住宅他)

.ロードサイド届舗用地

●物流・倉庫用地

・収益物件(木造アパート、鉄筋コンクリート造マンション、オフィスピル他)
このように「事業用不動産」だけで種類が分かれているのを見れば、「不動産の専門家」といってもすべてに精通しているわけではないということは、容易に想像できると思います。

 

これらを売る時には、「必要な調査・準備」も「戦略」も「営業先」も「留意点」も異なります。

 

しかし、不動産仲介会社にもプライドがあります。

 

自分が不得意な種類の不動産の売却を持ちかけられても、「その分野は不得意です。もっとその分野に強みを持っている人にお願いした方がいいのではないでしようか」と売主に提案してくれることはなかなかありません。

 

たとえ不得意な分野であっても、「頑張ります」と引き受けられてしまう可能性が高いのです。
それに対して、次のように反論する方もいるでしょう。

 

「依頼した不動産仲介会社が、売却する不動産の客付けに強い不動産仲介会社に持ち込めば、問題ないのではないか」なるほど、正論のようにも思えます。

 

しかし、現実的にはそれが難しいのです。

 

依頼された仲介会社はおそらく、売却を依頼された不動産に強い仲介会社を探すために、知り合いの数社に声をかけることになるでしょう。

 

しかし、もしも知人内という狭い範囲のみに働きかけるだけだとすれば、本当に高値を出せる最も良い買主を見つけることができるのか、疑問を覚えずにはいられません。

 

また、不動産の売却では「誰が仕切るか」がすごく重要です。

 

残念ながら、売却を依頼した仲介会社の方が「仕切り方」を誤る可能性もあるのです。

 

映画でもテレビでも、誰がプロデューサーを務めるかで作品の出来が全然違います。

 

プロデューサーは全体を仕切るので、誰に、どのように動いてもらえば全体が最も上手くいくのかを真っ先に考えなくてはいけません。

 

つまり、「全体像が見える人」「必要に応じて人を的確に動かせる人」がプロデューサーとして機能するわけです。

 

もしもプロデューサーが「全体像」が見えていなかったり、「誰にどう動いてもらったらいいか」がわかっていなかったらどうなるでしょうか。

 

もちろん、良い作品は生まれません。同じように、不動産売却においてもプロデューサーの腕が悪ければ、良い結果は生まれません。
それを防ぐためにも、はじめから売却する不動産の特徴をよく把握し、状況に応じたプロデュースができる仲介会社に依頼することをおすすめします。

「餅は餅屋」の ウソ 関連ページ

買主の3つの「リスク」
買主のリスクは、大きく分けて次の3つがあります。   一つ目は、「想定していた事業ができないこと」で […]
「物件調査」と「資 料準備」
人間は、相手の性格や経歴、特技や趣味、大切なもの、両親や兄弟との関係など、相手のことを知れば知るほど積極的にア […]
営業マンの言葉はすべて疑え
「プロが自信を持って一言うことだから、間違いないだろう」と思いがちです。   仲介会社に目の前で自信 […]
売主が「してはいけない3つのこと」
良いパートナー選びにあたって、売主が「してはいけないこと」が3つあります。   1.いきなり不動産の […]
不動産仲介のパートナー選び方3つの質問
大切なことは、仲介会社の話を真に受けず、売主が仲介会社に「質問する」ことです。   その質問に対する […]
競争原理が最大限に働く売り方を選択する
何事も、競争があるから努力が生まれます。   もしもこの世に受験がなければ、学生は一生懸命に勉強する […]
不動産取引は「交渉」
不動産取引は「交渉」です。   売主は「少しでも高く売りたい」「たくさんの人に検討してもらいたい」「 […]
相場と 時価は違う
不動産の売り出し価格は、仲介会社など不動産のプロのアドバイスや相場価格、近隣取引事例をもとに決められます。 & […]
不動産仲介会社の価格査定は 当てにならない?
不動産の売却をする際、一般的には地域の不動産事情に詳しい不動産仲介会社に依頼し、その不動産の価格査定を依頼する […]